赤面している時って、動揺している時ですよね。
顔を赤くしながら物凄く冷静な人ってのがいたら、お目にかかりたいものです。
いや、策士の女性にはそんな人もいるかもしれません。
とはいえ、まずほとんどの人は赤面している時は動揺してます。
じゃあ逆に、冷静な人、冷静でいられる人は、どのような精神状態なのでしょうか?
くっそう、自分もそうなりたい。
冷静な人を分析してみる
自分も冷静な人になるには、まず冷静な人を分析してみましょう。
あなたの知人にいませんか?
なんでそんなに冷静なんだ?!
大きな声を出しているのを聞いたことがない。
怒っているところはもちろん、ガハハと笑っているのも見たことがない。
そんな、仏のように冷静でな人、知っています。
結婚されていますが、どんな恋愛をしたのだろう?ドキドキして声が上ずったりしたという経験はあるのだろうか?
なんて思わせるほど、落ち着いているのです。
知性を感じる人です。
私といえば、状況変化にめっぽう弱く、イレギュラーな流れになると自分を失ってしまいます。
そこでこの分析です。
自分も冷静な人になれるんじゃないかな?
と、思えることを期待しながら、考えていきましょう。
生まれつきの気質で冷静な人
最新の脳科学では、気質は遺伝することが分かっています。
遺伝で決まるパーソナリティは、全体の約50%。
性格の他の部分は、生まれてからの環境と自己評価によって形成されていきます。
冷静さをいつも失わない人の中には遺伝で決まる部分に、動揺をしにくい性質を受け継いでいるのでしょう。
それに加えて「環境」です。
子は主に、親の行動を見て育ちますから、親の振る舞いを無意識の領域で受け継ぎます。
オギャーと泣いている頃から言葉を覚えて意思表示するまでの期間は、ほぼ親から以外に学ぶ手立てはありません。
「落ち着き」「怖がり」「積極性、消極性」などは、遺伝にプラスしてこの時期に親を経由して潜在意識の中に深く刻みこまれます。
冷静な人は、この潜在意識のなかに、「落ち着く」という行為が深く根付いていると考えられます。
きっと、その人の親も冷静沈着な行動をとる人に違いありません。
そう考えてみると、私ごとですが、私の母親は心配性で気が小さく、よく自宅のトイレに、PHPの「対人関係で気が楽になる〜」みたいな本(キヨスクにあるやつ)がよく置いてあったのを記憶しています。
人付き合いが得意ではなかったようです。
私のことについて、「可哀想になってな〜」なんてセリフを言っていたのを何度か憶えています。
過保護ってやつですね。
父親といえば、無骨で、親戚一同で集合するような時でも、ほとんど喋らず、小さな子供達が遊び回っていても、かまってあげたりすることもせず、横になってテレビで甲子園大会をずっと観ているような人でした。
この親を見て、私の潜在意識下の自我が出来上がったとしたら、人付き合いの苦手な赤面症になるのも納得します。(親のせいにしたくはないですが)
訓練によって冷静さを身につけた人
冷静な人の全員が、元々そういう性質だったわけではないでしょう。
冷静な人の中にも、何らかの訓練を経て「冷静になる技術」を身に付けた人がいるに違いありません。
そうじゃなきゃ、やってられません!
きっと私たちも変われるはずです。
冷静な人は副交感神経が優位
動揺している状態の人は、自律神経系の交感神経が優位になっています。
交感神経が興奮すると、ドキドキしたり、血圧が上がったり、手に汗をかいたり、赤面したりします。
そして交感神経優位は思考力(IQ)が下がります。
冷静な人と逆です。
つまり、冷静な人は副交感神経優位になっているのです。
リラックスできているのです。
危険を目の前にして、リラックスなんてできないでしょ。
普通はできません。
ここからが本人のやり方があるに違いありません。
一般的な副交感神経優位への導き方
皆さんも知っているであろう方法をおさらいの意味で書き出してみます。
呼吸法
呼吸法によって副交感神経を優位にすることができます。
息を、吸うよりも吐くほうをゆっくり時間をかけると効果があります。
慌てた人に「落ち着いて!深呼吸してみようか」なんて声をかけるのは、まさにこれです。
手(指)を開く
なぜだか分かりませんが、悔しい感情が高まれば拳を強く握ってしまったり、興奮して手に汗握るという状態になりますが、その反対をやると効果があるということです。
状況を第三者の視点になって言語化する
動揺している自分から、一度、幽体離脱?して、第三者となって状況を見てみます。
「今の状況はどうなってこうなって〜」、と言語化して客観視してみます。
言語化すると脳の前頭前野が優位になります。
そうすると、情動を司る大脳辺縁系の活動が弱まる仕組みです。
怒ってクレーム攻撃してくる人に対して、状況を話させて、それをこちらがもう一度復唱して「〜〜なのですね。」といって落ち着かせる方法ってありますよね。あれと同じです。
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どうやって冷静な心にシフトチェンジするのか
こうやって、副交感神経を優位にする方法をあげてみても、社会に出て、友人関係やビジネスの重要な場面での、アクシデントやクレーム対応など、緊急の事案に対処する場面では、上にあげてみたとおりには、できないことがほとんどです。
でも、それができる人がいるんですよね。
緊急アクシデントがあった時に、パニックにならずに冷静な対応ができる人。
尊敬します。
別の星から来たんじゃないかと思うくらいです。
自分も、そうなれたら素晴らしいですよね。
なりましょう!できる!あなたも私も!
冷静な人になりきる
冷静な人になりたいと常々思っているあなたは、自分のことを「冷静になりにくい人」「心の揺れやすい人」と感じているのでしょう。
それは、最初に書いたように、無意識の領域がそんなふうに学習してしまったのが原因です。
そして、今から言うことは逆説的ですが、
心が揺れやすい人は、催眠にかかりやすいとも言えます。
「息子さんが事故を起こしました!お金を振り込んでください!」と聞いて動揺して直ぐにお金を振り込んでしまう。
一種の催眠です。
この特質を利用して、自己催眠をかけるという技術があります。
わざと心を揺らして、
「私は〜な人間なんだ、だからこんなことべつに普通にいつもやってる。」
といった自己催眠をかける方法です。
この場合、「私は、いつものように冷静に対応できる。普通のことです。」
と思い込むということをします。
もしかしたら、あなたの知っている冷静な人は、これを無意識にやっているのかもしれませんよ。
寝る前のボーっとした時や、朝、目が覚めてウツラウツラしている時は、俗に言う「変性意識」状態と言って、無意識への働きかけがしやすいと言われています。
この時に、「私は冷静に物事を対処するのが上手です。」とかなんとか朝夕唱える。
または音声ファイルでも作って、聴きながら眠り、目覚める頃に再生するようにセットしておく。
なんてシステムを作っておけば、きっと効果があるでしょう。
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冷静な自分の成功の記憶ファイルを頭の中に作る
あなたが、動揺しやすい人間だとしても、何かの拍子に冷静に物事を進められた経験て、少しはあるでしょう。
なければ、他の成功体験でも構いません。
その体験を今一度思い出して、頭の中にファイルするのです。
それらを、演劇の台本として、繰り返しやってみるのです。
過去の成功体験を頭の中でなぞると、同様の体験をしたくらい効果があると言われています。
これは、自分の体験でなくともいいかもしれません。
企業の「お客様対応マニュアル」も、結局これです。自分の成功体験の気になって演じれば、似たようなものです。
冷静に戻るために次に打つ駒をもつ
囲碁や将棋の棋士はみな冷静ですよね。
あれは、情動脳(大脳辺縁系)よりも前頭前野を使っているということもありますが、彼らが、
「先を読む」
そして、相手に出方によって、何種類ものこちら側の対応のパターンを持っているからこそ冷静でいられるのでしょう。
普段の生活や仕事の中で、冷静に物事を対処できる人というのは、状況が予想外に進んだとしても、
「あ、この状況が来たなら対処するにはAパターンが最適だ。」とか、
自分が冷静でいるためのパターンをいくつも持っているのでしょう。
そして相手が人間なら、相手のほうまで落ち着かせるような対応パターンも持っている。
まさに囲碁や将棋の棋士と同じです。
クレーム対応のプロもそんな感じですね。
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冷静になるパターンを定石化しよう
常に冷静な人は、冷静になれるパターンをいくつも持っていて、状況によってベストな方法をチョイスしているのだと思います。
そして、そこからもうワンランクアップして、冷静になっていく過程を定石化しているのでしょう。
「定石」とは囲碁や将棋で使われる言葉ですが、もう何百年も前から研究され尽くされていて、達人が打ってもその一手にしかなりようがない流れのことを言います。
無意識に、冷静になれるための最善の一手をチョイスできるようになっているのです。
動揺しやすい人間にそんなことできるわけないとあなたは思うでしょう。
しかし、できます。
意識的に繰り返すと、無意識にできるようになります。
そんな事例はたくさんあります。
外出先で酔っ払って何も覚えてなくても目覚めると家のベッドの上にいたり、
家から会社への道だって初めて通る時から数日で、「ここを右に曲がろう」なんて考えなくなるのです。
会社へ行こうと思って家を出れば、あとは無意識が勝手にいつもの経路をたどるようになるわけです。
これが「定石化」です。
私もあなたも、冷静になるパターンを無意識にチョイスできるようになるのです。
やり方が分かったらあとは、「慣れ」と「繰り返し」
これで、冷静な人の分析ができたとします。
そして、なんだか自分にも真似できるかもしれないと思ったあなた。
あとは「慣れ」だけです。
何度も失敗して、動揺したり顔が赤くなったりするでしょう。
大勢の人の前で緊張することがあっても、例えば
今日は1人の前で、明日は2人の前でと繰り返していけば1年経てば365人の前で緊張せずに講演ができるはずです。
「慣れ」とはそういうものです。
慣れることを繰り返せば、無意識が勝手に最善をチョイスするようになります。
左利きを小さい頃に直された人は、字を書く時、今では無意識に右手で書いているはずです。
動揺しやすい私たちも、冷静な人のようになれるんです。
やりましょう。